骨粗鬆症性椎体骨折

骨粗鬆症性椎体骨折について

定義と原因

骨粗鬆症は骨密度が減ることにより骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症が原因でものを持ち上げたり、しりもちをついたり、あるいは特にけがをしていなくても脊椎(せぼね)が骨折してしまうことがあります。

症状

急激に背中や腰の痛みが出現します。症状が軽いと歩くこともできるため、ぎっくり腰と思ってしまう患者さんもいらっしゃいますが、症状が強いと歩くことはもちろん起き上がることもできなくなり、治療が遅れるとそのまま寝たきりになってしまう患者さんもいらっしゃいます。

治療

保存療法

装具(コルセット)を作製し、外固定により安静を図り、骨粗鬆症に対して薬物療法を行います。

手術療法

保存療法で改善が得られない場合は手術療法が選択されます。

椎体形成術(VP,BKP)
VP 背中の5mm程度の創から圧迫骨折した椎体の中に細い筒を挿入し、人工骨を充填します。
BKP(Balloon Kyphoplasty)

VPと同じ創からバルーンを挿入し、膨らませてスペースを作ってから骨セメントを充填します。

※90歳以上の患者さんや内科的な合併症が多く全身麻酔のリスクが高い患者さんには、局所麻酔と鎮静剤を併用し手術をすることも可能です。

脊椎固定術

椎体形成術では対応できない脊椎の不安定性の強い骨折や、神経を圧迫し腰痛、背部痛だけでなく足のしびれや運動麻痺まで出現している患者さんに対してはスクリューを使用し、より強固な脊椎固定術が必要となる場合もあります。